「学校教育は、魚に木登りを強制してないかい?」 ~あるラッパーのメッセージ~
アインシュタインは言った・・・
「人は誰もが天才である。しかし魚に木を登らせようとするのなら、その魚は一生、自分が愚かだと信じて生きていかなくてはならないだろう」
こんなフレーズから始まるラップが昨年秋に公開され、話題になりました。
タイトルは、「I JUST SUED THE SCHOOL SYSTEM !!!(学校システムを訴える!!!)」。大学で人類学を学んだヒップホップアーティスト Prince Ea の作品で、これまでもメッセージ性の強い作品を発表してきました。
そんな彼が、現在の「学校教育」のシステムを裁判風に痛烈に批判しているのがこの動画。公開24時間で、700万PVを記録しました。
この動画で彼は、現代の画一化してまるで工業製品のように「人材」を排出することに特化した教育システムを「訴える」ことを通して、人が本当に育つために何が必要なのかを考えさせてくれます。
150年前の教育と今の教育が、ほとんど変わっていない。これだけ社会が変化し、携帯電話や車がどんどん進化を遂げているのに、大事な教育が旧態然としたままでいいのだろうか?
ひとつのクラスに人を集めて、同じことを教え、テストの点数で評価する。教育がそういう姿になっていったのには、理由があります。
かつての学校は「工場で働く労働者を育てるところ」という側面が強くありました。工場で、言われた通りの製品を言われた通りに作る人や能力が求められていたのです。画一的な教育は、こうした産業界のニーズに応えて発展してきたものでした。
ところが、時代は変わりました。現在、求められているのは、クリエイティブで、個性的で、自分とは異なる個性を持った人たちと協力して、さまざまな課題を解決したり、今までになかった”何か”を創り上げることができる人材です。
現在の学校教育は、生徒全員に同じことを強いることによって、クリエイティビティを奪ってしまっている。だから、教育は、変わらなければならないところにきているのです。
学校の先生を批判するのではなく、学校のシステムを批判しているメッセージ。
私たちこそ、その当事者として、まず自らの教育方法や学校を変えていくべきだと思います。